精密な歯科治療を行っていて最近思うこと。

一体簡単な治療ってのはあるのか?といういこと。

今までは、通常は時間がかからない・簡単と思われるケースでも、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)で見てみると今まで見つからなかったむし歯を見つけたりしますので精密な歯科治療では少し治療時間に余裕を持って予約の時間をとっています。

今回も治療時間をとっておいてよかった…となったケースを紹介します。

以前に詰めたものが欠けてしまったので治療してください、とのことで来院されました。

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確かに詰めたものが欠けてしまっていますね。

術前の診査では歯の神経の異常も見られず高い可能性で歯の神経を取らずに治療できそうで、型取りをして詰め物を作りましょうか、という治療方法をお話。

通常、5分とかからず形成できるかもしれません。

今回はできる限りのことをしたい、という患者さんの希望もありまして歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した精密治療を行うこととなりました。ちなみに治療時間を1時間で設定しました。

というわけで治療開始。以前に詰めてあるところを外していきます。

外したところがこんな感じです。

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後ろの歯(画面の下の歯)に、おや?なにかおかしいぞ、とさらに拡大してみます。

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Oh,,後ろの歯(画面の下の歯)にもむし歯があるじゃないですか!

注意深く入り口を削って…

さらにむし歯を除去していくと中で広がってるのがわかり…さらにむし歯を取り除いていきます。

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こんな感じ。ちょっと削っては確認して、というのを繰り返します。

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ようやくむし歯を取り切りまして…

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プラスチックの材料で詰めました。この時点で治療開始から30分ちょっとかかってます。

これで手前の歯(写真の左側)の型取りができるという状態になりました。

この後で元々の治療予定の歯の型取りをして終了。時間としてはトータル50分くらいでしょうか。その後写真を見ながら治療の説明をして片付けして…って時間いっぱいです。もし、時間を取らずに治療を進めたらどうなんでしょう?えいやっとごっそり健康な部分も一緒に大きく取り除くことになるか、むし歯の部分を取り残してしまったりするか、はたまた手をつけないか…どれを選んでもぞっとします。マイクロスコープを使用した精密治療は従来では見えなかった部分が見えちゃうから余計怖いんですよね。

きちんとした治療を望まれるのであれば歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した精密治療をお勧めいたします。

院長:高橋