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日曜日です。

さて、私にとって今日が本番です。なぜ?実はテーブルクリニックで発表させていただくことになっていたのです。「根管治療に反応しない症例とその対応」ということで30分の発表です。

参考までに抄録を…

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近年の歯内療法領域の進歩は目を見張るものがあり、とりわけマイクロスコープ、ニッケルチタンファイル、CBCTなどにより歯内療法へのアプローチの方法は以前と比し精度が高まったことは、先生方も感じる事であろうと思われる。しかし、現在報告されているマイクロスコープを使用した根管治療の成功率はマイクロスコープを使用していなかった時代と変わらないとされている。

日常臨床で根管治療の頻度は多く、歯科開業医であれば誰しも根管治療の経過が芳しくない、症状が取れない等の経験はあると思われる。歯内療法領域の現在の器具器材はどのように変わり根管治療の何を変えたのか、今回、北米の歯内療法専門医のプロトコルによって、通常の根管治療に反応しない症例が治癒傾向に向かった3症例を報告する。

また、近年の根管治療のエビデンスや治療の適応と限界も交えながら報告する。

症例1)

患者:50代女性。

患歯:上顎左側側切歯。

主訴:「何回も根の治療をしているが腫れてしまう。腫れるたびに根の治療をしてその時はいいのだが数ヶ月で腫れてしまう。」

患歯の既往歴:数年前より根管治療を行い根管充填を終了し約半年後に腫脹し、再根管治療を行う。症状の消失がみられ根管充填するもまた数ヶ月で腫脹、を繰り返し当院へ転院。

臨床所見:近心と舌側にCR充填が見られ、自発痛なし、咬合痛若干あり、打診あり、触診あり、歯髄生活反応なし、歯周ポケット全周2mm、動揺度1度、根尖部腫脹あり、、レントゲン透過像あり。

症例2)

患者:60代女性。

患歯:右側第一小臼歯、第二小臼歯

主訴:「根管治療を行っているがサイナストラクトが一向に消失しないとのことで他院からの紹介来院。」

患歯の既往歴:右側頬側部の腫脹を主訴に紹介元歯科医院に来院。通法に従い根管治療を施すもサイナストラクトの消失が見られず不定期に腫脹を繰り返すとのことで当院へ紹介来院。

臨床所見:第一小臼歯は根管充填が終了しており、第二小臼歯の根管治療中。自発痛なし、咬合痛なし、咬合痛若干あり、打診あり、触診あり、歯髄生活反応なし、歯周ポケット全周2mm、動揺度1度、根尖部腫脹あり、サイナストラクトあり、レントゲン透過像あり。

症例3)

患者:30代女性。

患歯:上顎右側中切歯。

主訴:「かれこれ1年くらい治療をしているが治らない。治療するたびに痛みがあり腫れてしまう。どうにかしたい。」

患歯の既往歴:1年前から根管治療を始めるも腫れと痛みを繰り返し、特に受診すると2〜3日痛みが続くので、当院へ転院。

臨床所見:舌側仮封材により仮封されている。自発痛軽度にあり、咬合痛若干あり、打診あり、触診あり、歯髄生活反応なし、歯周ポケット全周2mm、動揺度1度、根尖部腫脹あり、瘻孔あり、レントゲン透過像あり。

上記、難治性の根尖性歯周炎において、改善を見た症例を報告する。

 

結構真面目にやってますでしょ?まだまだ続きます。(笑)

 

院長:高橋宏征