従来の根管治療との違いについてご説明いたします。
1)無菌的環境の確保
根管治療(根の治療)で最も重要なことは無菌的環境のもとで治療を行うことです。
・ラバーダム防湿
唾液中にはたくさんの細菌がいることをご存知ですか?
ゴムのシートをかけて、治療する歯だけ(もしくは前後の数本だけ)を出します。こうすることで細菌の侵入を防ぎます。
他には使用する器具器材の誤嚥(間違って飲み込んでしまうこと)や薬液を粘膜に触れさせないようにして、思わぬ事故の予防をすることが出来ます。
・可能な限りの使い捨て
ファイル
ダイヤモンドバー
スチールバー
洗浄用シリンジやニードル等使い捨てできる物は出来る限り使い捨てで使用し、新たな細菌感染の機会を減らします。
・徹底した滅菌
基本セット
各種ハンドピース類
マイクロインスツルメント
超音波チップ
ほんの一部ですが、使い捨てが出来ない器具は滅菌パックに入れ、オートクレーブという機械で滅菌します。切削等で使用する器具は専用の滅菌器を使用しています。
2)時間の確保
お一人の患者様に対し、十分な時間をかけて精密に診断し治療を行います。根管治療ですと、1回60~90分が治療時間となります。
通常1~3回で根管治療は終了し、何度も通うことに比べて細菌感染の機会も減らすことが可能となります。
3)術野の確保
マイクロスコープを使用して、視野を拡大し、明るい視野を確保します。
そうすることで、細部の感染部や治療の取り残し等をきちんと確認しながら治療ができます。
4)専門医としての知識
歯内療法の臨床と研究では世界トップレベルのペンシルバニア大学歯内療法学科のコンセプト、テクニックを学ぶためにペンエンドスタディクラブインジャパンに所属し、ペンシルバニア歯内療法学科のルールに則った歯内療法を行うことが出来ます。
また、現在もアメリカ歯内療法学会、日本歯内療法学会、ペンエンドスタディクラブインジャパンに所属し常に最新の技術とコンセプトの習得とアップデートは欠かしておりません。
まず無菌的な環境を整え、患者様お一人に対し充分な時間をかけ、マイクロスコープで視野を確保し、専門医としての知識や技術をもって行います。
きちんとした精密根管治療を行うためにはこの4つのうち1つでも欠けたら成立しないのです。
根管治療は建物で例えると『基礎工事』にあたります。どんなに素晴らしい家を建てても『基礎工事』がしっかりしていなければ長く暮らせません。同じように根管治療(基礎工事)がしっかりしていないと、かぶせるもの(家)をしても長持ちしないのです。
再治療の可能性を低くすることができる「精密根管治療」の選択を考えてみてはいかがでしょうか。