当院が歯内療法(根管治療)専門医院になって三年が経ちました。


 保険診療を主に行っていた頃は一日に多数の患者様に来ていただいていたので、自由診療で時間をかけての治療になると何となくのんびりしたペースになるのかな、とのイメージを持っていましたが、予想以上に忙しくしています。

 その理由のひとつに、環境整備のための作業が多いことがあると思います。
 保険診療の当時ももちろん滅菌消毒は大切な作業でしたが、精密治療は使う器具がとても多いので、お一人の患者様の治療が終わると片付ける器具がどっさりと山のよう…なのです。

ある日の診療後の廃棄するファイルたちです


 たくさんの器具をきれいに洗浄してから滅菌パックで個別に包装したり、根管治療用のファイル等の細かい使い捨ての器具も多くの種類があるので、ひとつひとつパックして滅菌にかけたり等々…。

器具はそれぞれパックして滅菌しています


 細かい作業も多くて多大な労力と時間がかかりますが、それらの環境整備があってこそ精密根管治療を行えるものなので、やっていて良かったと思います。
 ヨーロッパ規格に準拠したクラスBの滅菌器を導入し、使い捨てできない器具は一回使用ごとに専用の滅菌器にかけるなど精密治療を支える大切な条件として環境整備を徹底して行っています。

滅菌器です

 マイクロスコープを使用しての治療が始まってから、従来の治療との違いや時間をかけての精密な治療を知って驚きました。
 最初は拡大して見られるのが一番の違いだと思ったのですが、実は、ラバーダムをかけて細菌が入らないようにすることが最も重要だと知ったり…。
 虫歯を除去し隔壁を作ってラバーダムをかける、という治療のいわば下準備のために一時間近くかかる場合もあり、今までの保険での治療は何だったのかな…と感じることもあります。
 そこまで時間や手間をかけるからこそ神経を残せるケースがあったり…。
 自分が受けるとしても受けたいと思える治療を提供できること、それを嬉しく思っています。
 また実は、専門医院になったことで、遠方から来院される患者様が多くいらっしゃることが少しだけ驚きでした。
 それだけ、きちんと治したい方が多くなっているのだと感じています。
 これからもそうした、「歯を大切にしたい」とお考えの患者様とのつながりを大切にしていきたいと思います。