実は根の病気の原因は「細菌」だということは昔からわかっていることなんです。
いくら流行りのテクニックを使ってもマイクロスコープを使っても「細菌」を減らすことをしなければ根の病気は治りません。
そういう基本的なことを実感できるケースをご紹介します。
「治療しているけど、痛みが一向におさまらない」と転院し来院された患者さんです。
左の歯が治療中の歯なんですが、根の先に病気があることがわかります。
お口の中の状態がこちらです。
歯肉が腫れているのがわかります。これは、歯の中に細菌が感染して根の先に病気を作り、歯肉まで広がってしまっている状態なんです。
さて、環境を整えて治療を開始してみましょう。
一見、ちゃんと治療されているように見える状態ですが、ラバーダムをかけて…
仮のフタを外してみます…
ん?
あれ?なにか見えますよ!ってことで隔壁(根管治療するために作製した人工的な充填)を外してみます…
ばっちり残っているじゃないですか!むし歯が!
むし歯ってのは歯に細菌が感染して侵食している状態ですので、むし歯になってしまっている部分はしっかりと取り除かなければなりません。むし歯の中に入り込んでいる細菌が根の先の病気の原因となっているからです。ですから残念ながらこの状態は火事になっているところに燃料材を加えながら消火をしようとしているような状態なわけです。
これ以上(炎症が)燃え広がらないように燃料材(むし歯)を取り除きます。
取り除いたのがわかりますでしょうか?
ここから隔壁(根管治療するために作製した人工的な充填)を作り直して…
根の長さを確認して…
根の中をしっかりと消毒してお薬を詰めます。
一週間後…
名残はあるものの腫れもだいぶ引いて痛みもおさまったようです。よかったよかった。
大事なことなのでもう一度いいますね。根の病気の原因は「細菌」です。
ルールに基づいたきちんとした根管治療はあなた歯の寿命を左右しますので、自分の歯を残したいのであれば、きちんとした治療を受けることをお勧めします。
院長:高橋