症例紹介が続きます。
奥歯が痛くなって来たとのことで来院された患者さん、色々お話をお伺いして診査しまして撮影したものがこちらです。
一番右に歯が見えているのはわかりますでしょうか?これがいわゆる親知らずです。
よく見ると親知らずが手前の歯の根を溶かしているような様子も見受けられます。
え?歯を溶かす?ご存じない方も多いでしょうが生えるスペースのない親知らずを放置していると親知らずが手前の歯を溶かしてしまうことがあります。痛くないけれども抜いた方がいい理由のひとつです。
このままですと親知らずと手前の歯の2本を抜歯しましょう、ということになりかねません。
幸か不幸か痛い歯は親知らずの手前の歯ですが、痛いと言ってもズキズキ酷く痛むほどではなくまぁ気にすると痛いよね、という程度。
それでは、ということで親知らずの抜歯を先行して施行。サクッと抜いてはいますが手前の歯に負担をかけないで抜くのも結構大変なんです。
本来であれば歯の根が3本あるのですが、そのうちの1本が溶けてなくなってしまい、2本のみになっています。
抜歯した傷口がキレイになってきたところで、手前の歯の根管治療に入ります。
ちなみにむし歯はこれっぽっちもありません。むし歯がなくとも根管治療が必要になるケース、こんなことも実際あるんですね。
斜めから撮影したところ
溶けた部分は大きな穴になってましたので、特殊なセメントにて封鎖。これで安心です。
中に炎症が残ってしまった場合など、歯の溶けてしまうことが進行してしまうこともありますので、丁寧に経過を診させて頂きます。
むし歯がなくともこのようなケースは実際にありますので、定期検診を忘れずにしてくださいね。
治療期間3回(90分×1、60分×2)
院長:高橋