マイクロスコープを使用した精密根管治療と言っても開かない根管ってのはあるものです。
と開き直ってしまえばそれでおしまいになってしまうんですけれども開けることが出来れば開けたくなるのも人情。
※「開ける」とは根の先まで根の掃除する道具を到達させることを指します。
患者さんには何のことかわからないかも知れませんが、根管治療というのは、歯の根管(根の管)をキレイに掃除して、その中の細菌の数を減らすことが一番大切なことなのです。
以前に治療された歯を再治療する場合、本来の根管を傷つけて変位(変形)させてしまったり、本来の根管ではないところに人工的な管を作ってしまったり、治療による刺激によって象牙質が石灰化を起こし硬〜くなってしまったりと、まぁ一筋縄では行かないことが多い訳です。
今回のこのケース
左から2番目の歯、冠がかぶっている歯なのですが、見るからに根の先まで到達しなさそうなイヤな予感がするわけです。
案の定、根の中に入っていた充填物を除去し終わったらコツコツと根の中を掃除する道具が入らないあの感じ。同業者の方なら同情していただけますよね?
根の掃除をする道具を先だけちょっと曲げて
あ〜でもないこ〜でもないと根の中を探る訳です。
で、引っかかりを感じたところでよし!と。ここで秘密兵器です。(専門的な話なのでわからない方はスルーでお願いします)
Mtwo #10/.04ファイルの登場です。
かなり細いファイル(根の掃除する道具)ですから折れないように注意深く、そぉっと挿入します。するするっと入っていく感触を感じながら根の中の細く狭小化した根管を拡大して清掃をしていく訳です。
で、無事穿通!
よっしゃと一安心。治ってくれますように!と願いも込めて洗浄して貼薬(中をキレイに洗って消毒の薬を入れること)で今日は終了。
お疲れ様でした。
院長:高橋