前回の投稿から10ヶ月。歳を取ると月日の流れはあっという間です。ちなみにこの現象には名前があって「ジャネーの法則」と言うようです。

 ラバーダム防湿についてのブログ記事ですけど、長い前置きがあります。興味なければ飛ばしてもらっても構いません。

 この夏から新しいレジャーを始めまして。

 「パックラフト」というゴムボートに乗って川下りをするんですが、「瀬」と言われる激しい(とはいえ初心者用の)流れを攻めるような川下りも楽しいですし、「とろ場」と言われるゆったり浮かんでるだけのような場所も、自然の爽快感に包まれて非常に楽しいんです。

 レジャーとして川遊びは我々の生活に溶け込んでおりますが、川で起こる事故も毎年報告されています。公益財団法人河川財団の水難事故に関するデータ(2020)によると子どもの水難事故の約6割が河川・湖沼池であると報告されています。

 実際に川に入ってみると流れの強い場所では「こりゃ人間の力でどうにかなるものではないな」と恐怖を感じますし、川を泳いでみますとどんどん流されて思うように進まないことは皆さんもご理解いただけると思います。

 「川の事故は瞬間的に発生し、すぐに致命的な状況になる」(公益財団法人河川財団)ということから、川遊びを安全に行うために川遊びをする際には色々と準備する必要があります。

  1. ・PFD(ライフジャケット)
  2. ・自分が流された場合、自分以外の人が流された場合の知識
  3. ・気象、場所(水位、過去の事故発生状況等)の把握

 これらの他に、ガイドの方やインストラクターの方に色々と教わりながら、無理せず自分のペースで楽しむことが川遊びを楽しく安全に行うことにつながると言うことはご理解いただけると思います。

 さて、ここからが本題。

 時折、初診の患者さんから「こちらではラバーダムをしてくれますか?」と聞かれることがあります。

 当然「100%してますよ。」とお返事しているのですが、ただゴムのシートをかけてるだけではありません。

 

 

 

 

 

 

 このようにただかけるだけですと歯とゴムのシートのスキマから唾液が上がってきてしまったり、薬液が口の中に溢れてしまったり、ラバーダムの効果を十分に発揮することができません。

 

 

 

 

 

 

 これでもまだ不十分です。

 

 

 

 

 

 

 このように歯とゴムのシートの間にコーキングを行いスキマをなくし、ラバーダムの効果を十分に発揮することが必要です。

 ちなみに川遊びの際のPFD(ライフジャケット)もただ羽織っているだけではもしもの時に効果を発揮できません。装着の仕方によっては思わぬ事故を誘発することもあるくらいなんだそうです。

 楽しく安全に川遊びを行うにあたって、

  1. ・PFD(ライフジャケット)
  2. ・自分が流された場合、自分以外の人が流された場合の知識
  3. ・気象、場所(水位、過去の事故発生状況等)の把握

 とご紹介させていただきました。

 正しく安全な治療を行うにあたっては

  1. ・ラバーダムをはじめとした治療の環境整備
  2. ・どの歯が原因かの特定
  3. ・治療に必要な知識

 大事なことはどれも同じのようですね。

 川遊びをしてもPDF(ライフジャケット)のお世話にならずに1日が終わるかもしれません。同じようにラバーダムを使用しなくても治療に差し支えない場合もあるのかもしれません。(個人的にはないと治療にならないと考えています)

 しかし、ひとたびトラブルが起これば一瞬で取り返しのつかないことにつながることは水難事故も、根管治療(歯内療法)の難治化も同じようなものであろうと思います。

 大事な歯の治療、安全な環境での治療が良いと思いませんか?