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土曜日の午後です。
ランチタイムもさっさと済ませスタディクラブの仲間の山田先生のポスター発表を拝見させて頂きその後は我らがキム先生(ペンシルバニア大学歯内療法学科)の「Endodontics vs. Implants:Modern Clinical Dilenmma」我らが…なんていうとおこがましい気もしますが実は私石井宏先生主催のペンエンドスタディクラブインジャパンというスタディクラブに所属しておりまして、それはどういうことかと申しますとまず日本でのプログラム、ペンエンドプログラムインジャパンという一年の歯内療法のコースを受講します。隔月で東京、大阪と毎月のセミナーを受講するのですが宿題がハンパなく朝から毎日論文を読みKeynoteというプレゼンソフトでプレゼンを作り、治療をすればその記録を取り治療の方法や治療経過、結果、その後の様子などを事細かに報告する、そのような一年を過ごすのです。そして一年が終わり最終試験を受けにフィラデルフィアのペンシルバニア大学へ行き、そこで合格してコースが終了、となるわけですがそのペンシルバニア大学の歯内療法学科のボスがキム先生、でしてついつい我らがキム先生!と内心思ってしまう訳です。
一時期のような忙しさはないものの現在もそれは継続しておりますが、ペンシルバニア歯内療法学科のコンセプトに基づき治療している私に取っては聞き逃してはならない、そんな講演です。
内容はインプラントと比較して歯内療法はどの位置にありどのような違いがあるのかという基本的なことから新しい材料であるバイオセラミックシーラーの取り扱いや、再治療の際の診断基準、心に訴えかけるような素晴らしいプレゼン力で圧倒されまして、文字通りあっという間の講演に終了時脱力さえ覚えました。
その後はシンポジウム「新時代の歯内療法:エビデンスとアートの融和」と題しまして大阪大学の野扖先生、大阪市ご開業の木ノ本先生、東京都ご開業の井澤先生のお三方の講演でした。
野扖先生はいくつかの論文で拝見しておりまして素晴らしい論文をいくつも発表されており密かに楽しみにしていたのですが、やはり講演も素晴らしいものでした。今まで発表されていた論文をベースにしながらも最新の研究結果を教えて下さり生物学的に妥当と思える治療法についてや、今までは許容されていた治療法でも概念や考え方を変えなければならない時期にさしかかっているのではないかと非常に考えさせられる内容でした。非常にお金のかかる実験を惜しみなく行っている姿勢に頭が下がる思いです。そのような素晴らしい研究者の先生方のおかげで治療させてもらっているんだなぁ、ということを強く感じる、そのような内容でした。
木ノ本先生の講演は解剖学、とりわけ歯の解剖ということで、レントゲンの読影から読み取れる根管の位置や形状、治療する前に考慮すべきこと、知っておかなければならない歯種による根の特徴や根の形態のバリエーションについてとてもわかりやすく詳しく教えてくれました。
実際にお会いするのは初めてではありましたが今年の4月にJEA研修会(群馬)というものが行われまして僭越ながら実行委員長をさせて頂いたのですが、その際に色々とアドバイスして頂いたのが木ノ本先生でして歯内療法界の重鎮にも関わらず非常に丁寧になおかつ私に十二分な裁量を与えて下さり研修会が無事に開催できたのも木ノ本先生のおかげだと思っており勝手に親近感を覚えておりました。(笑)翌日ご挨拶出来る時間がありましたがやはり素晴らしい先生でした。
最後に井澤先生、私井澤先生のマイクロエンドコースにベーシック、アドバンス、と両方とも参加させて頂いたり日本での歯内療法専門医のパイオニアとして尊敬する先生の一人でもあります。外科的歯内療法の適用や効果、今までの方法と何が違い何が変わるのか、たくさんの症例を交えながらさすが!と唸らせるよな症例を提示して下さりこれもまた非常に勉強になりました。
正直1日これだけの内容の濃い講演会もひさしぶりですのでぐったりではありましたがこれからが本番(?)です。20年振りの同級生、変わってますかね?(まだまだ続きます)
院長:高橋宏征