今までの前歯の見た目が気になったりして、前歯をやり替えたい。

もしくは自分では気にならなかったけれども、定期検診や検査で根の治療の必要性が見つかり、根管治療をやり直さなければならない場合ってあると思うんです。

痛みもないし生活に何ら支障がないけれども、見た目が気になる、かかりつけの先生に指摘されて、という理由での治療です。

そのような場合、重要なのは治療することが本当にメリットがあるのかどうかを検討することです。

治療をすることで理想的なゴールにたどり着けるのであれば治療した方がいいでしょうけれども、治療に着手しても理想的なゴールにたどり着けないこともあるのです。

治療することで今まで見えなかった、見えなければ良かったものが見えてしまう、例えば治療に着手したら歯が割れてしまっていて修復することができない状態であったり、もしくは治療することで根の長さが非常に短くなってしまってかぶせ物を装着することや噛み合わせに耐えられてなくなってしまったり。

逆に、治療に着手することで破折を発見したり、解決できない問題を見つけてしまったとしてもきちんと対応(多くは抜歯になるのでしょうが)することでその後の治療の効果を長く維持することもできるかもしれません。

そのような場合、あえて治療をしない方が良いのではないか、継続して経過をみながら着手時期を検討してはどうか、抜歯も視野に含めて治療に着手する、など考えられる選択肢を提示しながら患者さんと相談し、治療をする、しないを含めて治療法の選択をしていただきます。

今回ご紹介するケースはこちら。

 

 

 

 

 

 

 

 

赤い丸の付いている歯ですが、症状は全くありません。赤い丸の右側は症状があり、なおかつ歯根に破折を認め残念ながら抜歯をせざるを得ません。

治療の結果としては、

 

 

 

 

 

 

 

 

結果だけ見れば簡単そうに見えますが、治療の選択には相当の覚悟があったと思います。

実は

 

 

 

 

 

 

 

 

このように角度を変えてレントゲン撮影をしたところ、根管(神経の管)が2本あるように見えます。

本来の根管と別の根管があり、治療することで修復不可能な問題が存在することが発見してしまうこともあるかもしれません。

すでに隣の歯は抜歯しなければならないし、また抜歯となってしまうと精神的にもショックなことだと思います。

いつ治療するか、保存できればどのように進めていくか、保存できなければどのような選択肢があるのか等、考えられることを全て検討し、今回は根管治療をすることを選択されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

治療後の状態です。幸いなことに修復不可能な問題もなく、2つの根管とも十分な洗浄を行い、過不足なく根管充填をすることができました。

しかしながら事前に根管が2つあることが把握できなかったら結果が違っていたかもしれません。

術前の診査診断をしっかり行い、考えられる問題点を想定することは非常に重要です。

しっかり行っても治療して見てはじめてわかることも多いのですが、だからと言って診査をしない理由にはなりません。

その上で治療法の選択が大切だと我々は考えています。

院長:高橋